イベント
Gemilang Lara Utama先生によるゲストレクチャーがありました
飯田先生と共同研究をされているGemilang Lara Utama先生が来日し、ゼミの時間にゲストレクチャーをしていただきました。先生はインドネシアのバンドンという都市で郊外農地のあり方について研究をされていて、今回のレクチャーでも都市農業遺産についてのバンドンでのリビングラボのお話をお伺いしました。
(リビングラボとは:地域の中で、地域の人と一緒に研究を行うプロジェクトのことで、大学の中で考えたことを実践し、実際に問題解決につながるかを試す場のこと)
レクチャーの中で個人的に印象的だったのは、インドネシアでは郊外の農地の都市農業遺産について、都市部の若者が関心を寄せており、リビングラボも若者がかなり主導して行われているという点です。若い世代の興味という点では日本よりも前に進んでいるように思いました。しかし農業従事者と都市部の住民との貧富の差の問題など、このリビングラボのような農法を普及させていくハードルが存在するのもまた事実であり、国によって抱えている問題の違いを実感しました。
ゼミ合宿2024を実施しました!
今夏はコロナ明け初のゼミ合宿に行ってまいりました。
舞台は関西。学生メンバーの研究対象も加味しつつプログラムを組み、公園等の事例を複数見学してきました。
【1日目:滋賀】
1日目は、滋賀県の近江八幡に集合して堀での水郷めぐりを体験した後に、ラコリーナ近江八幡の見学に行きました。
ラコリーナはまさに「ランドスケープに溶け込んだ建築」といった風格で素晴らしい建築でした。
ラコリーナ近江八幡では、集合写真も撮影しました!
その後、同じく滋賀県の高島市に移動し、針江生水の郷を見学しました。
右側の写真は「かばた」と呼ばれる地域独自の水場であり、地下水を料理等に利用する文化があるそうです。
宿ではBBQで盛り上がり、楽しい夜になりました。
【2日目:大阪・神戸】
2日目は大阪に移動し、先行公開されているグラングリーン大阪を訪れました。
中心の水場で子供たちが遊び、それを囲むように来訪者が見守っている様子は、未来の公園のあり方を示しているようでした。
難波ではハートビートプランの泉社長になんば広場の解説をしていただき、駅前空間が大々的な歩行者天国として生まれ変わった経緯や完成するまでの苦労をお聞きしました。
その後は神戸に移動し、神戸市の移住支援策によって開業した農家カフェや、Park-PFIによって新しく生まれ変わった東遊園地を見学しました。
写真は東遊園地の様子。改修前の社会実験や設計・運営にも携わっている村上工務店の村上社長からお話を伺い、神戸市の中心に人々が気軽に集まれる公園ができることの意義や、この場所ならではの工夫などをお聞きしました。
【3日目:淡路島・神戸】
3日目は淡路島の地域活性化を目的とした開発の取り組みや、神戸市の小学校跡地を活用して作られた複合施設 “NATURE STUDIO” を見学しました。
NATURE STUDIOは東遊園地と同様、村上工務店によって作られた施設なのですが、どちらも多様な属性の人にとって訪れやすい空間づくりが意識されていると感じました。
空間づくりに関わった方々のお話を伺ったり、作られた目的が類似する場所を連続して見学したりすることで、ただ単に訪れるよりもより深い理解が得られたと思います。
旅行としても勉強としても、非常に充実した3日日でした。
Sセメスターのジュリーを終えました!
7月29.30日に2024年度Sセメスターのジュリーがあり、修士1年の田辺、宮本、山本、修士2年の澤井が発表を行いました。
修士研究の途中経過を発表するもので、修士1年の3名にとっては大学院入学後初めての研究発表となりました。
各々これまでの研究成果とこれからの方針を発表し、専攻の先生方から多くのコメントやアドバイスをいただきました。
暑い日が続きますが、夏休みも充実した時間を送りましょう!
カヤバエン・坂本町公園を見学しました。
6月17日、研究室の現地視察として、屋上菜園として先進的な試みを行っている「カヤバエン(Edible KAYABAEN)」、および東京最初の市街地小公園である「坂本町公園」を見学しました。
最初に訪問したカヤバエンでは、オーナーである平和不動産の方と菜園の運営組織の方に案内していただき、この空間で行われている活動やデザイン上の工夫についてご説明いただきました。
こちらはカヤバエンのガーデンエリアと農園エリア。すべて合わせると年間で150種類以上の植物が育てられているのだとか。農園エリアは近くの企業とも契約を結んでおり、昼休みになると社員さんが訪れて畑仕事や休憩に使っているそうです。
こちらはカヤバエンの肥料をすべて賄っているコンポストの様子。投入物にはカヤバエンのあるビルから出る廃棄物のみが使われています。これらは数ヶ月かけてじっくりと発酵し、以下のような真っ黒い肥料になるのだそう。
このほかにもビオトープやキッチン、ステージといったさまざまな要素が組み合わさってカヤバエンは構成されており、これらが屋上という限られた空間における多様な使い方を生み出し、まだ生物多様性にも貢献しているということを学びました。資金的な制約はまだ大きいそうですが、このような取り組みが今後広がっていくと嬉しいですね。
カヤバエンの訪問後は、そのすぐ近くにある坂本町公園を見学しました。明治22年、東京市(現在の東京都区部に相当)における市街地整備事業の一環として初めて作られたのがこの坂本町公園であり、まだ公園という概念が浸透していない中で行われた先進的な事業だったそう。
本研究室の教授も務めていらっしゃった石川幹子先生がこの公園のリデザインを担当しており、今回の見学でもランドスケープデザイン的な面に着目して視察を行いました。
周囲にはオフィスビルが立ち並ぶ中、植栽の配置や微妙な地形の変化によって適度に空間の分離が図られており、周囲との連続性を保ちつつも居心地の良い空間になっている点が魅力的でした。ちょっとした工夫で空間に大きな変化を与えることができるのはランドスケープの面白い点ですね。
(文責:山本)
新たに配属された学部4年生の歓迎会を行いました。
まず最初に向かったのは西東京市にあり、特別緑地保全地区にしていされている旧高橋家屋敷林。高橋家の方々はなんと「おかしら」と呼ばれてきたのだとか。その名からも想像されるような立派な屋敷林を、保存会の方々に案内していただきました。
野草園や竹林などを案内していただいている最中にはたぬきのため糞も。
保存会の方いわく、保存会はただ落ち葉や野草園・竹林を管理するだけはなく、地域のコミュニティの場としても大いに寄与しているそうです。お話を伺う中で、この活動が単なる緑地の保全に繋がるだけではなく、みなさんのやりがいや一人暮らしの高齢者の方の見守りにもなっている事を実感しました。
この保存会の方から説明を伺っていた場所は「ニワ」と呼ばれる農作業や漬物づくりなどの作業場で、冬は明るく母屋に光が入り、夏は作業中に木陰として涼みながら作業ができるように落葉樹が多くなっている一方で、お屋敷の西側と北側は防風のために常緑樹が植っていました。
こちらでは先ほどの旧高橋家屋敷林の近くで買ったパンをお昼ごはんに、ピクニックとモルックを行いました。
みんなで持ち寄ったレジャーシートでお昼を食べたあとのモルックは大盛り上がり。ほとんどが初心者でしたがルーキーの4年生が意外な活躍を見せるなど、これからの研究室がますます楽しみになるような歓迎会でした。(文責:田邉)
浜松市万斛庄屋公園の視察にいってきました
4月12日、浜松市の万斛庄屋公園に教員3名と学生1名で視察にいってきました。
万斛庄屋公園は江戸時代の庄屋屋敷の跡地を公園とした場所で、Park-PFIで民間の力を導入し公園の整備、建屋の保全・活用を行っています。昔の姿に修繕されレストランとして活用されている建屋、グランドゴルフを楽しめる広場、地域の子供たちとともに育てる田んぼなどがあり、魅力溢れる公園でした。
浜松市役所の方、事業者の方、地域の方にお話を聞き、Park-PFIを行うまでの経緯や公園を整備する上での考えを学ぶことができました。
公園内のレストランでは美味しいおしるこをいただきました。
市役所の担当者の方、事業者の方、地域の方それぞれが本気で「地域に貢献したい」「歴史ある建屋を守りたい」という思いを持って力を合わせたことで生まれた、素敵な公園でした!
新たに配属された学部生の歓迎会を行いました。
2023年度が始まり,横張研には3名の学部生(内山さん,島内さん,山本さん)が配属されました。
そこで,新たに配属された学部生を交え,歓迎会を行いました。
美味しい食事とお酒をいただき,当日は大いに盛り上がりました。
これからともに切磋琢磨していく仲間として親交を深められた,よい機会でした。
今年度もよろしくお願いします!
3/23, 24 学位記授与式・卒業式が行われました
2023年3月23日に東京大学大学院の学位記授与式が、翌日の3月24日に東京大学の卒業式が行われ、弊研究室からはM2の加藤さん・黒島さん・松本さん・徐さんが修了、B4の澤井さんと二木さんが卒業しました。
今年は3年ぶりに安田講堂で式典が行われ、雨の中でも修了・卒業生で賑やかなキャンパスが見られました。
弊研究室ではフェアウェルパーティが行われました。この1年間は各メンバーが研究室に来る機会も多かったですが、大人数で集まる場は久しぶりでした。
修了・卒業生へプレゼントが贈られ、また先生方へもお礼の品が贈られました。
素敵なメロンのケーキも頂きました♪
修了・卒業を祝いに来てくださった在学生も含め、全員で集合写真を撮影しました!
改めて皆さん、修了・卒業おめでとうございます! これから社会人、また引き続き学生として頑張ってください!
一気に研究室メンバーが居なくなってしまい寂しいですが、またいつか遊びに来てくださいね♪
2/6, 7 卒業論文の審査会が行われました
2023年2月6日・7日に卒業論文の審査会が行われ、弊研究室からはB4の石崎さん・澤井さん・二木さんが発表を行いました。
一人の持ち時間は12分で、発表8分、質疑4分でした。
一週前に行われた修論審査と同じく、対面(ハイブリッド)で行われました。特に設計発表では作られた模型の周りに先生方が集まり、修論審査とはまた異なる賑やかな雰囲気となりました。
<設計発表の様子>
以下、各発表者による振り返りです。
石崎さん
卒業研究を進める中で、「一貫した論理のもとで明確な筋道を立てて自分の主張をまとめる」ことの重要性を学び、その難しさや楽しさの一端に触れられたと思います。
今後また研究を行う機会があるかどうかは分かりませんが、その有無に関わらず、卒業研究で得た経験を今後の人生に活かしたいと思います。
改めて、研究に関わってくださった皆さま、ありがとうございました。
澤井さん
設計対象地と課題を探すという行程から始まり、空間のデザイン、模型などでのアウトプットまで、学部の演習で部分的に触れてきたことを一連して行い、都市工生活の集大成のような時間だったと感じています。思い返せば短い時間でしたが、自分の力不足を感じながらも成長できた非常に濃い日々でした。
分からないことばかりで立ち止まることもありましたが、先生方、先輩方、同期、後輩に助けてもらいなんとか完成させることができました。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします!
二木さん
対象敷地の選定から細かな植栽の表現まで、全てが手探りの状態でしたが、もてる知識を総動員し体当たりでぶつかった卒業設計となりました。
4ヶ月間己の価値観と向き合い、言語化したり自分を見つめ直したりと苦しいプロセスも多かったのですが、周囲の方々のお力をお借りして、何とか大学生活を締めくくるにふさわしい内容に纏めることができたのではないか思っています。
ご多忙にもかかわらず、これまで熱心に丁寧にご指導くださいました横張先生、本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
また、横張研究室の皆々様、OB・OGの先輩方にもお世話になりました。感謝しております。
とくに、ご自身もお忙しい中、連日相談に乗っていただき、研究の考え方から表現方法まで様々な議論に根気よくお付き合いくださった坂本先生には、言葉に尽くせぬほど感謝しております。
今回の経験を活かし、これからも真摯に研究に取り組んで参ります。卒業は少し寂しくも感じますが、ここでの日々を胸に刻み、頑張って行きたいと思います。横張先生、研究室の皆々様、本当にありがとうございました。
皆様、発表お疲れ様でした。卒業後の進路でも、この研究室での経験が活かされたら幸いです。
1/30, 31 修士論文の審査会が行われました
2023年1月30日・31日に修士論文の審査会が行われ、弊研究室からはM2の加藤さん・黒島さん・松本さん・徐さんが発表を行いました。
一人の持ち時間は20分で、発表12分、質疑8分でした。
今まで3度行われたジュリーはオンラインですが、今回は対面(ハイブリッド)で行われました。都市工学専攻で対面で発表が行われるのは3年ぶりです。初めて先生方を目の前にした発表であったため、緊張したという声も聞かれました。
以下、各発表者による振り返りです。
加藤さん
卒業研究を終えた時点では興味の対象が「公園や緑地」という漠然としたものでしたが、研究室の皆さまとの議論を経てテーマをブラッシュアップし、1つの研究としてなんとか形にすることができました。
私は学部からの内部進学でありながら、修士から研究室を変更するという珍しい学生でした。ろくな相談もせず急に入って来た私を受け入れてくださった先生方、先輩方、同期には大変感謝しております。この2年間の横張研での活動を通じて、「論理的に物事を考える力」「自らの思考をわかりやすく表現する力」など、今後の人生でとても大事な能力を養うことができたと感じております。
先生方、先輩方、同期、そして後輩。研究室生活で関わってくださった皆さま、大変お世話になりました!
黒島さん
神田を対象地として、うだる暑さにも凍える寒さにも挫けずに全街区を自転車で走り回り、空地を記録していた頃を思い出します。そんなオリジナルなデータが取れたかと思えば、膨大な2次資料をベースにしながら、どういった分析ができるだろうか、どうやって結果をまとめようか、日々悩むことばかりで、1歩進んで1歩戻り、時に1歩進んで2歩戻る繰り返しだったように思えます。
そんな中でも、いろいろな人に助けられながら、修士論文としてまとめることができました。毎回重要な示唆を与え、導いてくださった横張先生をはじめ、研究室のみなさまには、常に励ましていただきました。心より感謝申し上げます。発表は、うまくいったと自分で評価できました。
「研究」をようやく理解しかけたところ、卒業するのはもったいないような気持ちもあります。しかし、社会に出ても必要なこともたくさん学びました。今後は、不思議に思う気持ちを大切にし、自ら突き詰めるということを厭わず続けたいと考えています。
松本さん
修論は「首都圏遠郊外におけるライフスタイル移住者の定着を支える空間とコミュニティの特性に関する研究」を行いました。
私の研究はインタビューを基礎データとしているため、対象地の方々の多大なるご協力がなければ研究としてまとめることが出来ませんでした。さらに研究協力だけではなく、多種多様なまちづくり活動や地域活動にも参加させていただきました。とても貴重な経験をすることができ、私の修士生活は有意義なものとなりました。この場を借りて、暖かいご支援に心から感謝を申し上げます。
そして、適切で丁寧なご指導をしてくださった先生方、親身なアドバイスや励ましの言葉をくれた先輩方、互いに切磋琢磨してモチベーションにも愚痴のはけ口にもなってくれた同期の3人、私も頑張らなきゃと思わせてくれた後輩に支えられながら楽しく修士研究に取り組むことが出来ました。
修論審査では、「とてもいい発表だった」と褒めていただき嬉しかったです。なにより自分でも頑張ったなと思える二年間でした。
研究室の皆様、本当にお世話になりました。
ありがとうございました!
徐さん
修士研究は、学部の卒業研究とは全く異なるものでした。卒業研究が「研究とは何かを知る」フェーズであるとすれば、修士研究はそれを基に「研究を実践してみる」フェーズであったと感じます。そのようにフェーズを移行できるよう、隣で走ってくださった坂本先生に改めて謝意を表します。私の研究を見守り、“正しい”方向へ導いてくださいました。この研究は、坂本先生が居なければきっと完成することはなかったでしょう。そんな坂本先生のご期待に沿える結果となったかは分かりませんが、ひとまず論文という自分(達)の作品を一つ作り上げられたことを、今は自ら讃えようと思います。
振り返れば研究以外にも様々な経験をした修士生活でした。得たものも沢山あれば、失ったものもありました。そんな私と共に歩んでくださった皆様にも、改めて謝意を表します。皆様が私の人生に彩りを与えてくれました。皆様と一緒に過ごした時間を、私は無駄にはしません。
皆様の人生がこれからも幸せでありますように。
皆様、発表お疲れ様でした。梗概の執筆も頑張りましょう。