2021-09

9/1 国際誌Sustainabilityに論文が掲載!Feature Paperに選定されました

論文「Use of Urban Green Spaces in the Context of Lifestyle Changes during the COVID-19 Pandemic in Tokyo」が国際誌Sustainabilityに掲載されました。

この論文は、東京大学都市工学専攻の教員が合同で取り組んでいる「東京大学緑農住まちづくり研究会」で実施された研究の成果です。
下記のリンクから閲覧していただけます。
https://www.mdpi.com/2071-1050/13/17/9817

論文の概要は以下の通りです。
[論文概要]
新型コロナウイルス感染症が蔓延し、都市住民のライフスタイルが劇的に変化する中、2020年6月に東京都民を対象にアンケート調査を実施した。そこで、ライフスタイル変化の代表例と言えるリモートワーカーに焦点を当て、その都市緑地利用の特徴を明らかにした。研究方法は、都市緑地の利用実態と効果を目的変数、ライフスタイルを説明変数とする2項ロジスティック回帰分析である。研究の結果、リモートワーカーが都市緑地をよく利用(Odds Ratio[OR]=1.49, p<0.001)し、特にCOVID-19流行後に利用し始めた(OR=1.54, p<0.01)傾向がわかった。これは、リモート型ライフスタイルへの転換が都市緑地利用を促進しうることを示した世界初の研究成果である。 また、従来から都市緑地をよく利用していた高齢者・子育て家族とリモートワーカーを比べると、オープンスペースの選好性に差異があることが明らかになった。例えば、高齢者(OR=1.56, p<0.001)や子育て家族(OR=4.53, p<0.001)は小さな公園・広場をよく利用していたのに対し、リモートワーカーは寺社地を利用(OR=1.70, p<0.01)する傾向にあった。また、高齢者(OR=1.51, p<0.05)や子育て家族(OR=1.90, p<0.001)は人とのつながりを評価していたのに対し、リモートワーカー(OR=1.26, p<0.1)は不安やストレスを緩和させる機能を評価していた。このことから、ライフスタイルの転換に伴い、都市緑地に新たな役割が期待されている可能性がある。 fig1

また、本論文は学会から「Feature Paper」に選定していただきました。
なお、Feature Paperとは、この学会に収録される論文の100本中1本が選定されるもので、以下のように説明されております。
Feature Papers represent the most advanced research with significant potential for high impact in the field.(Feature Paperは、その分野に大きな影響を与える可能性のある最先端の研究です。)

今後もこの研究は継続して実施する予定です。
内容に関するお問い合わせはinfo@epd.u-tokyo.ac.jpまでご連絡ください。

山崎

2021-09-07 | Posted in 未分類No Comments »