個人の活動
9/10 – 10/2工学系研究科・工学部 海外武者修行プログラムに参加しました
2019年度海外武者修行プログラム参加学生として、博士課程の別所あかねさんが2019年9月10日から3週間程イギリス・ブライトン市を訪問しました。イギリス滞在中、ブライトン大学建築学科のAndre Viljoen教授と共にブライトン市およびロンドン市の都市農業事例を訪問し、各地の学生や実践者と研究交流を行いました。ロンドン市で広く利用されているAllotment gardensをはじめ、City farms、Community gardensを視察し、高齢者や難民の居場所づくりとして機能する都市農業の重要性を肌で感じることができました。また滞在中、歴史的な田園都市であるレッチワースをViljoen教授と訪問し、現地でまちあるきを行いました。
武者修行プログラムを通じて、イギリス独自の都市農業の役割について理解を深めることができ、ゼミ合宿の場で訪問内容について共有しました。
2018年度工学系海外武者修行に採用され、ニューヨーク市を訪問しました
修士課程1年の村松賢さんが、2018年度工学系研究科・工学部海外武者修行に採用され、2019年3月3日~3月14日の日程で米国ニューヨーク市を訪問し、ニューヨーク市内の都市農業活動の現地視察やインタビューなどを行いました。以下、村松さんの報告です。
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海外武者修行とは、学生が自らの研究分野に関連する海外の研究室を訪問し、そこで研究成果発表などを行うことについて、東京大学がその渡航を支援する取組みです。訪問先の選定や受入依頼、日程調整等は学生が自ら行います。
このたび私は、ニューヨーク市立大学の都市食糧政策研究所(City University of New York, Urban Food Policy Institute)のNevin Cohen教授に受け入れていただくかたちでニューヨーク市を訪問しました。Cohen教授はニューヨーク市の都市農業について様々な視点から考察を加え、研究成果を蓄積されている方です。2016年に共著で出版された「Beyond the Kale」という著作においては、Social Justiceと都市農業の節点を描写されています。
ニューヨーク市には、市内全土にコミュニティガーデン・ファームをはじめとした多数の先進的都市農業の現場が存在しています。今回の渡航では、ニューヨーク市にある5つの行政区のうち4つに足を運び、合わせて50件ほどのコミュニティガーデンおよびファームについて現地視察を実施したほか、取り組みの関係者にインタビューを行いました。
フォーマルなインタビューとしては、Harlem地区で食や作物栽培に関する教育プログラムを実施しているNPOのメンバーの方や、コミュニティガーデンを管轄するニューヨーク市公園局Green Thumbの担当者の方にお話を伺いました。
3月上旬のニューヨークは東京都心部に比べてかなり気温が低く、ときおり雪が降り、また降った雪が何日も道に残るような状況でした。
多くのガーデンやファームは4月1日から活動が始まるため、私が訪問した時期はまだ大半が施錠されており、中に人がいることは稀でした。それでも柵の外からガーデンを観察し、写真を撮っていると、ガーデン運営のメンバーだという近所の人に話しかけられたりしました。
赤茶色の仕上げが印象的なニューヨーク市公営住宅(NYCHA Housing)の敷地内にも、大なり小なり様々なガーデンやファームがあります。それらの多くは、管理者であるニューヨーク市住宅局によって存在を容認されています。
渡航の終盤には晴れる日が多くなり、ガーデン開園の準備をする人の姿を目にすることが多くなりました。
ニューヨーク市の都市農業の現地視察を通じて、ガーデンやファームの空間および活動と、周辺地域社会の因果関係を考察、理解することができました。文献資料やインタビューからは、ニューヨーク市において都市農業が成熟した都市文化になっていることや、現在進行形でさまざまな都市社会的課題解決のためのツールとしての役割をあたえられていること、またその駆動のために様々な立場の人々の働きや熱意があることを知ることができました。
今回の渡航を通じ、修士研究を進める際に活かしうる、都市における耕作という現象を理解するための新たな分析視点を得ることができました。また世界の都市農業の動向や、海外の関連研究、実践的取組に目を向けることの必要性を痛感しました。最後に、あらためてこの場をお借りして、今回の渡航を支援してくださった皆様、貴重な学びの機会を提供してくださった皆様、現地でお世話になった皆様に心から御礼を申し上げます。
第24回ユニオン造形デザイン賞と第4回宇宙建築賞を受賞しました
本年度の後期に実施された、2つの全国設計コンペティションにおいて、PDの山崎嵩拓が代表を務めるグループによる提案が受賞しました。
第24回ユニオン造形デザイン賞では、尾門あいり(積水ハウス)との共同提案である「なぜインフラは地中に埋没しているのだろうか?」にて佳作、第4回宇宙建築賞では押木祐生(都市環境研究所)・尾門あいり(積水ハウス)・長田大輝(北海道大学)との共同提案である「火星の紋様」にて入賞しました。
【本人コメント】
PDの山崎嵩拓と申します。この度は2つの建築設計やまちづくりに関するとても光栄な賞をいただき、とても嬉しく思っております。これらの賞は、自分一人の力で得たものでは無く、共同提案を行ったメンバーのおかげでいただけた成果です。今後もこのような成果をいただけるよう頑張ろうと思います。
まずこのコンペは「インフラと建築」というテーマで、これまで誰も見たことがなかった、しかし太古の昔からそこにあることがごく自然であるような、新しいインフラとしてのインフラを構想するという課題でした。
本提案では、インフラが地中に埋まっている存在という事を疑い、街中にインフラが露わになっている都市の像を描きました。そこでは、水漏れする水道管が花に水やりをしていたり、電線から充電ができたり、ガス管に洗濯物を干すとすぐ乾いたりと、少しだけ生活が豊かになるような像を描きました。こうしたインフラの表出を通じて、当たり前にあるものを当たり前に実感する生活像を提案しています。
続いてこのコンペは「火星居住施設」という課題で、人類の未来にとって有益な火星施設を設計するというテーマでした。
本提案では、100Km間隔で火星の温暖化プラント兼高齢者居住施設を建設し、火星のテラ・フォーミング(人類が居住可能な環境を火星に作る事)を図るというものです。高齢者施設はプラントを動かすのに必要な労力となると同時に、プラントを動かす資源として人間が循環する計画です。これまでの火星居住に関する提案では、どのように住むか?については議論が行われていましたが、どのように死ぬか?は語られてきませんでした。そこを論点としたことを評価していただきました。
今後も、研究と並行して設計や計画活動を続けていき、地域にとって”研究”と”計画設計”という2つのアプローチで関われるよう尽力したいと思っています。
10/30 国際会議でのポスター発表
2015年度に修士課程を修了したパク ビョンホさんが第15回日中韓国際ランドスケープ専門家会議(於:東京大学)において2016年10月30日にポスター発表をしました。テーマは「A study on the publicness and profitability of urban park managed by public-private partnership – A case study of Toyosuna park in Chiba, Japan -」です。