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カヤバエン・坂本町公園を見学しました。
6月17日、研究室の現地視察として、屋上菜園として先進的な試みを行っている「カヤバエン(Edible KAYABAEN)」、および東京最初の市街地小公園である「坂本町公園」を見学しました。
最初に訪問したカヤバエンでは、オーナーである平和不動産の方と菜園の運営組織の方に案内していただき、この空間で行われている活動やデザイン上の工夫についてご説明いただきました。
こちらはカヤバエンのガーデンエリアと農園エリア。すべて合わせると年間で150種類以上の植物が育てられているのだとか。農園エリアは近くの企業とも契約を結んでおり、昼休みになると社員さんが訪れて畑仕事や休憩に使っているそうです。
こちらはカヤバエンの肥料をすべて賄っているコンポストの様子。投入物にはカヤバエンのあるビルから出る廃棄物のみが使われています。これらは数ヶ月かけてじっくりと発酵し、以下のような真っ黒い肥料になるのだそう。
このほかにもビオトープやキッチン、ステージといったさまざまな要素が組み合わさってカヤバエンは構成されており、これらが屋上という限られた空間における多様な使い方を生み出し、まだ生物多様性にも貢献しているということを学びました。資金的な制約はまだ大きいそうですが、このような取り組みが今後広がっていくと嬉しいですね。
カヤバエンの訪問後は、そのすぐ近くにある坂本町公園を見学しました。明治22年、東京市(現在の東京都区部に相当)における市街地整備事業の一環として初めて作られたのがこの坂本町公園であり、まだ公園という概念が浸透していない中で行われた先進的な事業だったそう。
本研究室の教授も務めていらっしゃった石川幹子先生がこの公園のリデザインを担当しており、今回の見学でもランドスケープデザイン的な面に着目して視察を行いました。
周囲にはオフィスビルが立ち並ぶ中、植栽の配置や微妙な地形の変化によって適度に空間の分離が図られており、周囲との連続性を保ちつつも居心地の良い空間になっている点が魅力的でした。ちょっとした工夫で空間に大きな変化を与えることができるのはランドスケープの面白い点ですね。
(文責:山本)