2024-10
Gemilang Lara Utama先生によるゲストレクチャーがありました
飯田先生と共同研究をされているGemilang Lara Utama先生が来日し、ゼミの時間にゲストレクチャーをしていただきました。先生はインドネシアのバンドンという都市で郊外農地のあり方について研究をされていて、今回のレクチャーでも都市農業遺産についてのバンドンでのリビングラボのお話をお伺いしました。
(リビングラボとは:地域の中で、地域の人と一緒に研究を行うプロジェクトのことで、大学の中で考えたことを実践し、実際に問題解決につながるかを試す場のこと)
レクチャーの中で個人的に印象的だったのは、インドネシアでは郊外の農地の都市農業遺産について、都市部の若者が関心を寄せており、リビングラボも若者がかなり主導して行われているという点です。若い世代の興味という点では日本よりも前に進んでいるように思いました。しかし農業従事者と都市部の住民との貧富の差の問題など、このリビングラボのような農法を普及させていくハードルが存在するのもまた事実であり、国によって抱えている問題の違いを実感しました。
雑誌『WIRED』の記事に図表を提供しました
本研究室の教員である飯田と山崎が監修した記事、『”緑化都市”になり損ねた街ー「東京の都市計画」135年の系譜から見えてくること』の中に載せる図表を、本研究室の修士一年と二年の合計4名でGISを利用し作成しました。
(上記の記事より画像引用)
この図表は、東京市区改正(1889)・帝都復興計画(1923)・東京緑地計画(1937、1939)・東京戦災復興都市計画(1946)の緑化計画を重ね合わせたもので、あり得たかもしれない東京の姿をビジュアライズしたものとなっています。これらの計画が全て計画通り実行に移されていれば、その総面積は4億m^2近くなり、23区の40%が緑地になっていたことがわかりました。
出来上がった図を見て正直かなり驚きました。面積はさることながら、このように緑地間のつながりも意識された計画たちであったことをしっかりと意識したのは、恥ずかしながら今回が初めてだったからです。このようにスポーク状に緑地が繋がった東京の姿はなかなか想像することも難しいですが、今と違ったライフスタイル・価値観を持つことになっただろうなという妄想が膨らんでやみません。計画通りに行かなかったこれらの計画を頭に入れた上で、今後のより良い東京の環境についても考え直す、良い機会となりました。
ゼミ合宿2024を実施しました!
今夏はコロナ明け初のゼミ合宿に行ってまいりました。
舞台は関西。学生メンバーの研究対象も加味しつつプログラムを組み、公園等の事例を複数見学してきました。
【1日目:滋賀】
1日目は、滋賀県の近江八幡に集合して堀での水郷めぐりを体験した後に、ラコリーナ近江八幡の見学に行きました。
ラコリーナはまさに「ランドスケープに溶け込んだ建築」といった風格で素晴らしい建築でした。
ラコリーナ近江八幡では、集合写真も撮影しました!
その後、同じく滋賀県の高島市に移動し、針江生水の郷を見学しました。
右側の写真は「かばた」と呼ばれる地域独自の水場であり、地下水を料理等に利用する文化があるそうです。
宿ではBBQで盛り上がり、楽しい夜になりました。
【2日目:大阪・神戸】
2日目は大阪に移動し、先行公開されているグラングリーン大阪を訪れました。
中心の水場で子供たちが遊び、それを囲むように来訪者が見守っている様子は、未来の公園のあり方を示しているようでした。
難波ではハートビートプランの泉社長になんば広場の解説をしていただき、駅前空間が大々的な歩行者天国として生まれ変わった経緯や完成するまでの苦労をお聞きしました。
その後は神戸に移動し、神戸市の移住支援策によって開業した農家カフェや、Park-PFIによって新しく生まれ変わった東遊園地を見学しました。
写真は東遊園地の様子。改修前の社会実験や設計・運営にも携わっている村上工務店の村上社長からお話を伺い、神戸市の中心に人々が気軽に集まれる公園ができることの意義や、この場所ならではの工夫などをお聞きしました。
【3日目:淡路島・神戸】
3日目は淡路島の地域活性化を目的とした開発の取り組みや、神戸市の小学校跡地を活用して作られた複合施設 “NATURE STUDIO” を見学しました。
NATURE STUDIOは東遊園地と同様、村上工務店によって作られた施設なのですが、どちらも多様な属性の人にとって訪れやすい空間づくりが意識されていると感じました。
空間づくりに関わった方々のお話を伺ったり、作られた目的が類似する場所を連続して見学したりすることで、ただ単に訪れるよりもより深い理解が得られたと思います。
旅行としても勉強としても、非常に充実した3日日でした。