パラオプロジェクト
RAKUEN Project
昨今,「自然保護と人々の生活の向上に貢献する責任ある自然観光」と定義されるエコツーリズムが各地で推進されつつありますが,観光開発は地域経済の活性化という正の影響だけでなく,必ず,自然環境への負荷や廃棄物問題など負の影響をもたらし得えます.そのため,観光開発,環境保全,地域振興の均衡を保つために,観光による多面的な効果・影響を評価する視点が重要であると考えます.
本研究では,パラオ共和国と沖縄県八重山諸島と対象に,観光開発による環境・観光者・地域住民への影響を測り,その相互関係を分析するためのRAKUEN指標を開発します.また,特に観光開発に伴う島内での資源循環・土地利用の変化に着目し,資源循環型エコツーリズムを推進した際のシナリオ作成と影響評価を行い,その導入可能性を検証します.
Ecotourism is defined as “responsible travel to natural areas that conserves the environment and improves the well-being of local people.” However, ecotourism development sometimes brings negative impacts on local environment and local people who rely on it. Therefore, it is important to evaluate both positive and negative impacts of ecotourism development from various aspects in order to make the balance between tourism development, healthy environment, and well-being of local community. In this research, we aim to develop a RAKUEN index, which evaluates those impacts through material flow analysis, land cover succession analysis, or input-output analysis etc. The research sites are Ishigaki Island in Okinawa and Palau Islands, Micronesia. It focuses on the recycle-based and low-impact ecotourism development. Scenario-planning approach will be conducted with local stakeholders.
◼︎ 平成28年度の主な活動
- Palau Community Collegeと東京大学が協働で実施した食生活調査の結果をパラオの高校生がWashington DCのNational Institutes of Healthにて研究発表を行います
- Palau Elementary Schoolの子供たちと一緒にデザインワークショップを実施します
◼︎ 平成27年度の主な活動
- 乃田・飯田・渡部らの論文が応用水文に採択されました [PDF]
- 武・飯田の論文がランドスケープ研究に採択されました [PDF]
- 飯田が分担執筆した「島嶼型ランドスケープ・デザイン 島の風景を考える」(沖縄タイムズ社)が出版されました
- 沖縄科学技術大学院大学で行われた「Meeting for Establishing a Network of Island Country Researchers & International Symposium」で飯田と渡部が研究発表しました
◼︎ 平成26年度の主な活動
- 飯田・武の論文が日本造園学会ランドスケープ研究に採択されました [PDF]
- 飯田が分担執筆した「島嶼地域の新たな展望-自然・文化・社会の融合体としての島々」(九州大学出版会)が出版されました
- Palau Community Collegeで行われた「2nd Annual Economic Symposium」で飯田がプロジェクト紹介しました
- 石垣島で行ったワークショップが八重山新聞に掲載されました
◼︎ 研究資金と体制
- 環境研究総合推進費「島嶼部におけるRAKUEN指標の開発:沖縄県石垣島・パラオ共和国を事例として 」平成26年度〜平成28年度 (研究代表者:飯田晶子)
- 若手研究(B)「気候変動適応型社会の形成に向けたランドスケープ計画論」平成26年度〜平成29年度 (研究代表者:飯田晶子)
- 本プロジェクトは、東京大学大学院の都市工学専攻・社会基盤専攻・新領域創成科学研究科、筑波大学大学院,名古屋大学大学院の若手研究者との共同により実施しています